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8÷5を考える

小学3年生の1学期に、多くの学校で「あまりのあるわり算」を習います。

先日、わり算の問題に取り組んでいた小学生が、「44÷6=7あまり2」は、すらすら解いていたのに、「8÷5」の問題を目にして、一瞬戸惑っている様子がありました。

その場では“わる数とわられる数の差が小さすぎて、ちょっと混乱したのかな”と思ったのですが、よく考えると、そこに大きな問題が横たわっているように(ちょっと大げさですが)思えてきました。

というのも…

教える立場とすると、除法の場合、「等分除(全体を等しい大きさに分ける)」と「包含除(全体をいくつかずつの大きさに分ける)」を意識しながら学習支援をします。8÷5について考えてみると…

このようなイメージになるでしょうか。8÷5の計算を、大人になって視覚的にイメージする時、おそらくは、2枚目の画像を思い浮かべる方が多いのではないかと…でもこれは、直感的に「8-5=3」と、頭の中で処理しているのではないでしょうか。

「8個のサイコロを5個ずつに分けます。何人分に分けられて、何個余りますか。」「8個のサイコロを5人で分けます。一人いくつもらえて、何個余りますか。」わり算の問題として提示される文も、実生活上では、“ひき算を行って答えの3をクローズアップさせる”ことがほとんどなのかなと…

商が1となる、余りを出す自然数のわり算…答えが自明すぎて、実生活ではひき算で済んでしまう…わり算として取り組もうとすると、違和感を感じてしまう…

わり算は、いずれ小数の概念が入ってくれば「8÷5=1.6」とすっきり割り切れるし、分数で表せば「8/5」であるし、中1になれば「わり算は逆数のかけ算です。」と教えられ、余りを出していた小学校3年生の算数は、遙か記憶の彼方に追いやられてしまいます。

基礎を教えることの大切さを思いつつ、この時期にナンセンスな問題に取り組まなければならない子どもたちに対して、「答えは1だから簡単」などと言ってほしくないな…子どもの違和感に添うことが大切だな…と、しみじみ感じた日でした。

 

[2022-07-29]

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